- こどものアレルゲン免疫療法
(舌下免疫療法)について - 舌下免疫療法が向いているお子さま
- 舌下免疫療法のおすすめの開始時期
- 舌下免疫療法の治療の流れ
- 舌下免疫療法の副作用
- 子どもの舌下免疫療法のよくある
ご質問
こどものアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)について
舌下免疫療法とは、スギアレルギー・ダニアレルギーに対して実施される治療です。微量のアレルゲンを含むお薬を、毎日1回、舌下(舌の裏)へと投与し体内に取り入れることで慣らしていき、アレルギー症状を改善します。
3年以上の継続が推奨されますが、抗アレルギー薬の量を減らせる・やめられることが期待でき、通院の頻度が抑えられることから、近年注目を集めています。
スギアレルギーまたはダニアレルギーの場合は、保険診療として実施できます。対象となるのは、5歳以上のお子さまです。
舌下免疫療法が
向いているお子さま
舌下免疫療法は、特に以下のようなお子さまにおすすめします。
- スギアレルギー(花粉症)、ダニアレルギーの症状が重い
- 体質から改善し、完治を目指したい
- 抗アレルギー薬で十分な効果が得られない
- 抗アレルギー薬の内服量を減らしたい、将来的にやめたい
- 抗アレルギー薬の副作用で困っている
- 保険診療の治療を受けたい
舌下免疫療法を
受けられない方
- 4歳以下のお子さま
- 重度の気管支喘息のあるお子さま
- がん、免疫疾患のあるお子さま
- ステロイドの内服・注射を受けているお子さま
スギ花粉症・ダニアレルギーに合わせた専用のお薬で治療します
当院では、舌下免疫療法の対象となるスギ花粉症とダニアレルギーに対して、それぞれ専用のお薬を用いて治療します。
- スギ花粉症:「シダキュア」
- ダニアレルギー:「ミティキュア」
いずれも厚生労働省に認可されている薬で、長期的に続けることでアレルギーの原因に体を慣らし、症状の改善を目指します。
舌下免疫療法の
おすすめの開始時期
舌下免疫療法は、スギアレルギーかダニアレルギーかによって、開始時期が異なります。
なおスギアレルギーの場合も、スギ花粉が飛散しない時期を含めて毎日、お薬を内服する必要があります。
スギアレルギーの場合
スギ花粉が飛散している時期に治療を開始することはできません。スギ花粉が飛散していない6月~12月が、開始可能期間となります。
舌下免疫療法の開始時には、スギアレルギーの診断が確定している必要があるため、早めに検査を受け、診断を確定させておくことをおすすめします。
ダニアレルギーの場合
基本的に、体調が良ければいつでも開始可能です。ただ、ダニアレルギーの症状が悪化しやすい時期(9~10月くらい)の開始は避けることが推奨されています。
舌下免疫療法の治療の流れ
舌下免疫療法の基本的な流れをご紹介します。
1診察・診断
医師が診察し、アレルギー検査を行い、スギアレルギー・ダニアレルギーの診断を行います。
また、舌下免疫療法の内容・注意点などについて、詳しくご説明します。
2舌下免疫療法の開始
初回の内服は、練習を兼ねて院内で実施します。舌下に薬剤を投与し、1~2分ほど保持してから飲み込みます。内服後、体調に問題がないことを確認できれば、お帰りいただけます。
以降、毎日1回、内服を継続します。
※内服の前後2時間は、激しい運動、入浴をお控えください。
※内服後5分間は、飲食・うがい・歯磨きなどをしないでください。
3増量期
治療開始から7日間は、アレルゲンの量が少ないお薬を内服し、8日目からアレルゲンの量を増やしたお薬に切り替えます。
4維持期
増量をしても問題がないことが確認できれば、15日目以降は維持期へと入ります。
治療期間は、3年以上が推奨されています。
舌下免疫療法の副作用
舌下免疫療法の副作用には、以下のようなものがあります。
増量期は、特に副作用が起こりやすくなります。また、ダニアレルギーの方は、スギアレルギーの方よりも副作用が強く出ると言われています。
- のどのかゆみ、口内の腫れ
- 息苦しさなどの呼吸器の症状
- 腹痛、吐き気などの消化器の症状
- 鼻水、くしゃみといった鼻の症状
- 意識喪失などのアナフィラキシーショック(ごく稀)
副作用についてのご不安がございましたら、お気軽に医師にお尋ねください。
子どもの舌下免疫療法の
よくあるご質問
舌下免疫療法に保険は適用されますか?
スギアレルギー、ダニアレルギーに対して行う舌下免疫療法については、保険が適用されます。
舌下免疫療法は、いつでも始められますか?
スギアレルギーに対して行う場合は6月~12月(スギ花粉が飛んでいない時期)に開始する必要があります。ダニアレルギーに対して行う場合は、基本的に時期は問いません。ただ、ダニアレルギーの症状が強く出ている期間(一般に9~10月)は避けることが推奨されます。
舌下免疫療法を受けられないケースはありますか?
重度の気管支喘息がある、がん・免疫疾患がある、ステロイドの内服・注射を受けているといった場合は、舌下免疫療法を受けることができません。また妊娠中の方・近く妊娠を希望されている方も、適応外となります。
舌下免疫療法は、何歳から受けられますか?
原則として5歳以上のお子さまが対象となります。一度、ご相談ください。
通院の頻度はどれくらいですか?
1カ月に1回程度です。一般的な薬物療法を行う場合と比べると、通院の頻度は少なくなります。再診の場合は、オンライン診療も行っております。条件がありますので、詳しくは診察時におたずねください。
スギアレルギーとダニアレルギーを同時に治療することはできますか?
可能ではありますが、使用する薬剤が異なりますので、治療を開始するタイミングをずらす必要があります。通常、まずスギアレルギーに対する舌下免疫療法を開始し、経過を見ながら、約1カ月後にダニアレルギーに対する舌下免疫療法を開始します。
舌下免疫療法を開始すれば、すぐに効果は実感できるのでしょうか?
舌下免疫療法は体質を改善する治療であり、対症療法ではないため、即効性は期待できません。抗アレルギー薬の減量、症状の緩和などの効果が実感できるまでには、平均して数ヶ月~1年ほどかかります。
治療期間はどれくらいかかりますか?
3年以上が推奨されています。効果が実感できない、副作用が強く出る等の理由で中止になることもあります。中止後も、再開することは可能です。
将来的に、必ず完治しますか?
完治しない、あるいは効果が十分に得られないということもあります。たとえばスギアレルギーに対する舌下免疫療法の場合、約60%が完治または劇的な改善を、約20%が多少の改善を示します。残りの約20%では、効果が見られません。
舌下免疫療法を行っている期間、他の薬を飲むことはできますか?
ステロイドの内服・注射以外であれば、原則可能です。ただし、他院を受診する場合は、必ず舌下免疫療法を受けていることをお伝えください。また、お薬手帳のご提示をお願いします。

