小児発達外来とは
小児発達外来は、お子さまの発達にかかわるご不安があるときにご相談いただける専門外来です。
いわゆる発達外来を取り扱う外来ではありますが、診断名をつけることだけが目的ではありません。普段の生活でお子さまが困っていること、親御さまが不安に思っていることを整理し、必要なサポート・環境調整を行うことが大切な役割となります。
そもそも発達には個人差があり、一時期遅れていても、後から追いつくケースが少なくありません。しかし、早めに相談しておくことで、お子さま・親御さまがより安心して日々を過ごしやすくなります。
「言葉が遅れている気がする」「落ち着きがない」「友達と遊ぶのが苦手」など、お子さまの発達について気になることがあれば、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
子どもによく見られる
発達に関するお悩み
小児発達外来によく寄せられるご相談内容には、以下のようなものがあります。
言葉の発達が遅い、会話が続かない
年齢に応じた言葉の扱いができない(2歳になっても単語が増えない等)、会話のキャッチボールができない、一般的に伝わる冗談を真に受けてしまうといったことが挙げられます。
集中できない、じっとしていられない
授業や人の話を集中して聞けない、勉強に集中できない、授業中に席を立ってしまうといった、注意力や行動のコントロールに課題があるようなケースです。
こだわりや癇癪が強い
決まった手順・順番・物・数字にこだわる、思い通りにいかない場合に強く泣く・怒るといったように、感情・行動のコントロールに課題があるケースです。
集団生活になじめない、
友達と遊べない
幼稚園や学校での集団行動ができない、友だちができない・よくトラブルを起こしてしまう、いつも一人遊びをしているといったケースが見られます。
学習のつまずきや読み書きの困難
読み・書き・計算など、特定の学習において大きな困難があるケースです。学校生活に支障をきたすこともあります。
不安が強く、登園や登校を嫌がる
登園・登校時間になると体調不良を訴える、泣く等、強く嫌がるようなケースです。
主な対象となる発達関連疾患
小児発達外来において取り扱う発達障害には、以下のようなものがあります。
適切な支援を行うことで、困難や辛さを防いだり、軽減したりといったことが可能です。
自閉スペクトラム症(ASD)
言葉の遅れ、相手の気持ちを理解することの困難、特定の行動・順序への強いこだわりなどが見られます。
幼稚園・学校などで孤立しやすい傾向があります。環境への適応が難しく、強い不安感・癇癪を伴うこともあります。
お子さまの特性を把握し、環境を整えることで、生活しやすくなることが期待できます。
注意欠如・多動症(ADHD)
集中力が持続しない、落ち着きがない、衝動的な言動をしてしまうといった特性が見られます。
忘れ物・友達とのトラブルの多さとして表出することもあります。
原因は脳の特性にあり、育て方・しつけ方は関係ありません。環境を整えたり、園・学校と協力してサポートすることが大切になります。
学習障害(LD)
読み・書き・計算などの特定の学習において、大きな困難を伴います。知的な遅れはありませんが、学習に対する自信を失い、自己肯定感の低下につながることが少なくありません。また、不登校の原因になることもあります。
お子さまの特性を把握し、家庭・学校での学習方法を工夫することが大切になります。支援教材を用いた学習も有効です。
発達性協調運動障害(DCD)
ボールを投げる、ハサミなどの道具を使う、字を書くといった運動の苦手があります。学校の授業などで困難が生じやすく、「不器用」と評価されるケースが目立ちます。
作業療法などのリハビリによって、学習・生活における負担を軽減することが可能です。
知的発達症
言葉や学習、生活全般において発達の遅れが見られます。日常生活における自立、学校生活におけるサポートが必要になるケースも少なくありません。
お子さまの特性を正確に把握し、一人ひとりに合わせた学習・生活支援を行うことが大切です。
不安症やチック症などの
心身症に関連する症状
登園・登校・学習・友達付き合いなどに対して強い不安を持つ不安症、まばたき・咳払い・身体の一部を動かす等のチック症は、心理的なストレスや脳の働きが関係していると考えられます。
環境調整などの支援が必要です。
その他のケース
以下のようなケースについても、ご家庭での対応が難しい場合には、お気軽に当院にご相談ください。
- 目線が合わない
- 同じ遊びに熱中し、まわりが見えなくなる
- 急な変化に敏感、音・光などに敏感・鈍感
- 物事を順序だてて進められない、自分が決めたルールにこだわる
- じっとしているべき場面で手足がそわそわと動く
- お喋りをやめられない、一方的に喋る
- 「ありがとう」などの簡単なお礼が言えない
- お子さまが生きづらさを感じているように見える
- 親御さまが育てにくさを感じる
子どもの発達の不安はひとりで抱え込まず、早めの相談を
繰り返しとなりますが、お子さまの発達には個人差があります。
多少遅れていても、多くの場合、年齢を重ねるにつれて追いつき、問題なく生活を送ることができます。しかし一部では、発達の遅れが続き、お子さまや親御さまが辛い状況に陥ることがあります。
発達の遅れに伴う困難から自信を失う、孤立を深める、不登校になるといったケースもあります。
支援が必要であるかどうかを医療機関で正しく判断し、必要な場合には早期に環境調整やサポートを行うことが、お子さま・親御さまの安心につながります。
「遅れているかも」と感じたときには、念のためというおつもりで、一度当院にご相談ください。

