出生時に身長と体重が小さいと言われた方へ
在胎週数に対して出生時の身長が低い・体重が少ないことを、SGA(Small for Gestational Age)と言います。また、その後も身長が伸びず低身長である場合には、SGA性低身長症と診断されることもあります。
SGAとして生まれる赤ちゃんは全体の数%程度で、そのうちの多くが1~2年以内に成長が追いつきます。
しかし成長が追いつかず、SGA性低身長症と診断された場合には、成長ホルモンの補充療法などの治療を検討します。
先述の通り、SGAであったからといって必ずSGA性低身長症になる・治療が必要になるわけではありませんが、経過を観察し必要に応じた治療を適切な時期に開始するためには、小児科などに早めに相談しておくことが大切になります。
SGA(子宮内発育遅延)とは?原因は?
SGAとは、在胎週数(妊娠週数)に対して出生時の身長が低い・体重が少ないことを指します。
SGAでないお子さまと比べると、SGA性低身長症になるリスクが高くなります。
SGA(子宮内発育遅延)の主な原因
胎盤の機能不全
胎盤の血流や働きの不足によって、赤ちゃんに十分な酸素・栄養が届かず、発育が妨げられることがあります。
母体の要因
妊娠中の喫煙・過度の飲酒、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、栄養不足、強いストレスなど、母体側の要因によって胎内の赤ちゃんの発育が妨げられることがあります。
妊娠の状況
双子・三つ子といった多胎妊娠は、栄養・スペースを赤ちゃんが分け合うため、1人あたりの発育が十分でなくなることがあります。
その他の要因
赤ちゃんの染色体・遺伝子の異常、感染症などが影響することもあります。
成長の経過とSGA性低身長症の診断
キャッチアップ成長とは
キャッチアップ成長とは、SGAとして生まれた赤ちゃんが、1~2年のあいだに生長し、標準値に達することを指します。実際、多くのSGAの赤ちゃんが、キャッチアップ成長をします。
診断に必要な情報
キャッチアップ成長をせず、SGA低身長症が疑われる場合には、以下のような情報を元に総合的に診断を行います。
- 出生時の身長・体重、在胎週数など
- 成長曲線(身長・体重の推移)
- 小児科での定期的な身体計測
- 必要に応じた血液検査、骨年齢評価など
SGA性低身長症と
診断される年齢
3歳を過ぎても追いつかない
場合は注意
キャッチアップ成長をしない、つまり3歳になっても標準曲線に追いつかない場合には、SGA性低身長症を疑う必要があります。
SGAであった場合には、3歳になってから初めて受診するのではなく、早期から定期的に小児科を受診されることをおすすめします。
治療を始める時期
成長ホルモンの補充療法は、通常3歳以上(~思春期)のお子さまが対象となります。
一般に、早期に治療を開始するほど効果は得やすくなります。
SGA性低身長症の治療
(成長ホルモン治療)
SGA性低身長症の治療では、主に成長ホルモン治療を行います。
成長ホルモン治療の効果
成長ホルモン治療には、以下のような効果が報告されています。
- 身長の伸び率の改善
- 最終的な身長の改善
低身長を改善することは、自信や積極性の獲得、QOLの向上にもつながります。
治療の対象となるお子さま
成長ホルモン治療の対象となるのは、以下のようなケースです。
- 治療開始が3歳~思春期
- 出生時、SGAであった
- 出生後、一定期間が経過したが、成長曲線で標準値に追いついていない(−2SD以下が続いている)
- 医師が成長ホルモン治療の適応と判断している
副作用と定期フォロー
稀に、頭痛、関節痛、むくみなどの副作用が起こります。
治療期間中は、定期的な診察・血液検査・画像検査を行い、十分に安全と安心を確保します。

