子どもの咳について
お子さまが咳をしていると、風邪かな?と気になりますね。風邪であればそれほど心配はいりませんが、実はそれ以外にもさまざまな病気を原因として咳が引き起こされることがあります。
このページでは、咳が続くときに考えられる原因、対処法などについてご説明して参ります。
咳の種類
咳の音も、検査の選択や診断の上で重要な情報となります。
夜間には咳が出るけれど日中(受診時)には咳が出ないというケースもあるため、咳の様子をメモしていただいたり、スマホで撮影していただくと、診療の際に役立ちます。
- ゴホンゴホンといった痰のからむ咳
- コンコンという乾いた咳
- ケンケンといった犬の鳴き声のような咳
- ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)
咳が続く原因と考えられる病気
子どもの咳は、風邪などの一時的なものから、長引く病気までさまざまな原因で起こります。咳は気道を守る大切な反応ですが、2週間以上続く咳、夜眠れないほどの咳、息苦しさを伴う咳は注意が必要です。代表的な原因にはウイルス感染・細菌感染・アレルギーや気管支の病気などがあります。
乾いた咳(コンコン)が
続く原因と考えられる病気
乾いた咳は「痰を伴わない咳」で、コンコンとした音が特徴です。のどや気道の炎症、またはアレルギーが関係することがあります。
風邪(ウイルス性上気道炎)
もっとも多い原因で、熱や鼻水を伴います。通常は1週間前後で改善しますが、咳だけが長引くこともあります。
百日咳
咳が何週間も続き、「コンコン」と連続したあとに息を吸い込む特徴的な咳が出ます。ワクチンで予防できますが、免疫が弱まる学童期以降にも発症することがあります。
マイコプラズマ肺炎
乾いた咳が長引く代表的な病気で、熱は軽くても咳だけが何週間も続くことがあります。学校や園で流行することもあります。
咳喘息
痰はなく、夜間や明け方にコンコンと咳が出やすいのが特徴です。長引く乾いた咳の原因のひとつです。
ケンケン・ヒューヒュー・ゼーゼーとした咳や
息苦しさがあるときに
考えられる病気
ヒューヒュー・ゼーゼーという音は、気道が狭くなって空気の流れが妨げられているサインです。息苦しさを伴うことが多く、注意が必要です。
気管支喘息
代表的な病気で、発作的に咳き込み、ヒューヒュー・ゼーゼーとした呼吸音が出ます。夜間や運動後に症状が出やすく、繰り返すのが特徴です。
細気管支炎
(RSウイルスなど)
乳幼児に多く、ゼーゼーとした呼吸と咳、発熱を伴います。重症化すると呼吸困難になることもあり、特に生後6か月未満では注意が必要です。
クループ症候群
(仮性クループ)
犬が吠えるような「ケンケン」という咳とともに、気道の腫れによりヒューヒューという音が出ることがあります。夜間に悪化しやすいため、息苦しさが強い場合は救急受診が必要です。
子どもの咳で
受診が必要な症状とは?
咳に加えて以下のような症状がある場合には、様子見をせず、お早目にご相談ください。
- 咳が連続し呼吸が辛そう、元気がない
- 血痰が出た
- 顔色が悪い、白い・青い
- オモチャや部品などが気道に入ってしまったかもしれない
- 肩で呼吸をしている
- 鎖骨の上、肋骨の下が呼吸に合わせてへこむ(陥没呼吸)
- 隣にいると呼吸の音が聞こえる
- ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸をしている
また、上記に該当しない場合でも、2週間以上咳が続いている場合、咳が辛く眠れないといった場合には、当院にご相談ください。
家庭でできる
子どもの咳への対処法
様子を見る場合や受診するまでのあいだ、あるいはお薬をもらってお家で過ごしている時などに活用できる対処法をご紹介します。
安静にする
激しい運動、寒い季節の冷気や動き回ることによる埃の吸入などは、咳を誘発します。快適なお部屋で、安静に過ごさせましょう。
部屋の湿度を50~60%に
保つ
湿度が低いと、喉や気管が敏感になり、咳が出やすくなります。
部屋の湿度は、加湿器などを使って50~60%を保ってあげましょう。
小まめに水分を摂る
喉の乾燥を防ぐため、また痰の排出を促すためには、水分摂取が有効です。湯冷まし、お茶、スポーツドリンク、経口補水液などで、小まめに水分を摂らせてあげてください。小さな赤ちゃんの場合は、ミルク・母乳で水分を摂ります。
ハウスダスト・花粉対策をする
アレルギーの有無にかかわらず、ダニ、埃、真菌、花粉などとの接触はできるだけ避けましょう。お部屋の小まめな掃除・換気、清潔な寝具の使用などが有効です。
近くでタバコを吸わない・香水を使わない
タバコの煙、強いにおいなどが咳を誘発することがあります。お子さまの近くでの喫煙、香水の使用は避けましょう。
子どもの咳でよくあるご質問
風邪の場合、咳はどれくらい続きますか?
あくまで目安ですが、10日以内に約半数で、4週間以内に約9割で、咳は落ち着きます。2週間以上続く場合は、風邪以外の病気も疑う必要があります。
夜中や明け方に咳がひどくなります。なぜでしょうか?
夜間から明け方にかけては副交感神経が優位になるため、気道が多少狭く敏感になります。また、横になることで胃酸が逆流したり、鼻水がのどへと流れるなどして、咳が起こることもあります。夜間や明け方の咳は、しばしば睡眠の妨げになります。日中に咳が治まるようであっても、気になる場合はご相談ください。
2週間以上咳が続く場合、どんな病気が疑われますか?
気管支炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、副鼻腔炎などが比較的よく見られます。また、百日咳やマイコプラズマ肺炎などが原因になることもあります。
咳はウイルスを排出させる役割があると聞きました。咳止めは飲まない方がいいのでしょうか?
仰る通り、咳にはウイルスを排出させる役割があります。ただ、ひどい咳で睡眠が妨げられている、炎症が悪化しているといった場合など、メリットをデメリットが上回るというケースには、咳止めを処方します。咳で眠れないなど、必要と判断した際には処方されたお薬を内服してください。
咳のはずみで嘔吐をしました。受診させた方がいいですか?
お子さまは大人ほど消化管が十分に発達しておらず、ゲップや咳などのちょっとしたはずみで吐いてしまうことがあります。1回きりの嘔吐で、元気にしているようであれば、基本的にそれほど心配する必要はありません。しかし、咳がひどい・長引いている・睡眠を妨げている、嘔吐を繰り返すといった場合には、受診してください。

