自閉スペクトラム症
(ASD)
自閉スペクトラム症(ASD)は、発達障害のうちの1つです。対人関係が苦手、強いこだわりがある等の特性が挙げられますが、お子さまによってその現れ方はさまざまです。
はっきりとした原因は分かっていませんが、遺伝的な要因、脳の発達の違い、環境要因などが関与していると言われています。男女比は2~4:1と、男性(男の子)によく見られます。
早期にお子さまの特性を把握し、適切な支援を行うことで、生活のしやすさを取り戻すことが可能です。
自閉スペクトラム症
(ASD)
によくみられる特徴
言葉の発達の遅れ・話すのが苦手・こだわりの強さ
自閉スペクトラム症(ASD)のお子さまには、以下のような特性が見られます。
ただ、現れ方、その強さは、お子さまによって異なります。
言葉の発達の遅れ
- 2歳を迎えても単語がなかなか増えない
- 会話のキャッチボールが難しい
- オウム返しなど、独特な話し方が見られる
- 独り言が多い
話すのが苦手
(コミュニケーションの特性)
- 視線が合わない、合うが共感性が低いように感じられる
- 呼びかけに対する反応が鈍い
- 自分の気持ち、できごとを言葉で伝えるのが難しい
- 相手の表情などから気持ちを読み取るのが苦手
- 明らかな冗談などを真に受けてしまう
こだわりの強さ
- 自分の決めた順番、ルールで物事を進めたがる
- 思い通りにいかない時、強く嫌がる
- 特定のおもちゃ、分野に強い興味を示し、他のものへの関心が薄い
- 同じ行動を繰り返す
その他の特徴
- 人が指で示した方を見てくれない
- 音、光などに敏感
- 衣類のタグ、肌触りの悪さなどに過敏
- 一方で痛みなどの刺激に対して鈍感なことも
自閉スペクトラム症
(ASD)の原因
自閉スペクトラム症(ASD)は、以下のようないくつかの要因が重なって生じるものと考えられています。
遺伝的な要因
血縁者が自閉スペクトラム症(ASD)である人は、そうでない人と比べると、ご自身も自閉スペクトラム症(ASD)を抱えていることが多くなります。ただし、必ず遺伝するわけではありません。
脳の発達の違い
社会的コミュニケーション、感情調整にかかわる脳のネットワークの働きが、通常とは異なることがあります。
環境要因の関与
低体重出産、早産などが、脳の発達へと影響を及ぼし、自閉スペクトラム症(ASD)の要因の1つになることがあると言われています。
保護者の方へ
自閉スペクトラム症(ASD)は、親御さまの育て方・しつけ方によって生じるものではありません。
早期に特性を把握し、適切な支援を行うことで、お子さま・親御さまが安心して過ごせることが期待できます。
少しでもご不安がある場合には、お早目に当院にご相談ください。
受診を検討いただきたい目安
すでに以下のような特性が現れている場合には、一度当院にご相談ください。
- 2歳を過ぎたが、言葉があまり増えない
- 友達ができない、作ろうとしない
- 集団生活に馴染めない
- 強いこだわりがあり、うまくいかないときに癇癪を起こす
- 保育園・幼稚園、学校から発達の偏りを指摘された
もちろん、上記に該当しない場合にも、発達にかかわるご不安がある場合にはご相談いただけます。
早期発見・早期介入の大切さ
医療機関で診断を受けること、発達障害かもしれないと指摘されることなどに対して、多くの親御さまは不安をお持ちです。
しかし、大切なのは診断名をつけることではなく、お子さまの現状の特性を把握し、これからを見据え、対策を考えていくことです。
発達は、遺伝的な要因、環境要因などによって形作られます。それが、お子さまにとっての「生きづらさ」、親御さまにとっての「育てにくさ」につながることも、確かにあります。ただ、ちょっとした工夫・環境調整によって、生きづらさ・育てにくさを軽減することは十分に可能です。
特性を早期に把握すること、必要に応じて早期に介入することが、お子さま・親御さまが安心して過ごせる日々へとつながります。
少しでもご不安がある場合には、どうぞお気軽に、またお早目に、当院にご相談ください。

